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ものづくりの未来

The Future of Making Things
ものづくり環境が激変する今だからこそ知っておきたい未来への提案

ものづくりを取り巻く環境の急速な変化、従来の差別化戦略の形骸化など、自らの環境やこれからのビジネスを危惧する声が日増しに高まっている。 そうした中、オートデスクは「The Future of Making Things ―創造の未来―」というメッセージを掲げ、ものづくりの未来に向けた取り組みを推し進める。



工作機械のカタログ用写真を 3D CG へ

今、製造業を中心としたものづくりを取り巻く環境は、大きな変化に晒されている。例えば、消費者ニーズの多様化、従来の製造方式では不可能だった複雑な形状を実現可能にする3Dプリンタの台頭、製品にセンサーを搭載しあらゆるモノをネットワークに接続して新たな価値を創造するIoT(Internet of Things)の到来、そして従来よりも高度化した生産システムの実現を目指すインダストリー4.0など、目まぐるしいスピードで変化が訪れている。

さらにその一方で、モノを製造し、消費者に届けるという従来のビジネスモデルも競合他社との差別化が困難な状況になりつつある。例えば、これまで多くの企業が率先して取り組んできた生産性の向上においては、既にこれ以上大きな効果が生み出せないほど効率化が進んでおり、これだけでは差別化できない状況にある。また、技術革新や画期的な製造方式についても、新たな技術や革新的なプロセスを生み出した当初はその独自性によりリーダーシップを発揮できても、時間の経過とともにすぐに競合他社に追い付かれてしまう。こうした厳しい現状は、かつて隆盛を極めた日本の家電メーカーの今の姿を見れば容易に想像できるところだ。

では、これからのものづくり、モノのあるべき姿、そしてモノの作り方とは何か。大きなうねりとなり押し寄せてくる変革にどう立ち向かうべきなのか。自らの環境やビジネスを危惧する現場の設計者やマネジメント層にとって、こうした変化への対応が喫緊の課題であることは間違いないだろう。

The Future of Making Things ―創造の未来―

このような現代のものづくりを取り巻く変化と課題に対し、オートデスクは「The Future of Making Things ―創造の未来―」というメッセージを提唱。将来求められる新たなものづくりの在り方やモノの作り方を実現可能なものにすべく、同社は最新技術や新たな設計アプローチを取り入れたツール/サービスの提供、関連技術やソリューションへの投資、そして研究機関「Autodesk Research」での先進的な研究開発を製造業だけではなく、建設、土木、映画、ゲーム業界といった同社が展開している業界に積極的に行っている。以降でその製造業への代表的な取り組みを紹介していこう。

「The Future of Making Things」の概要図

コンピュータが最適な形状を提案する「ジェネレーティブデザイン」

まずは、従来の設計手法や加工方式にとらわれないモノのデザインを実現する技術・ソリューションだ。これまでの設計プロセスでは、所有する加工設備や設計資産をベースにモノの形状を決定する傾向にあったが、オートデスクは設計者が設定した仕様・条件をコンピュータ側で解析し、要求に適した形状を導き出して、設計者に最適形状をフィードバックする「ジェネレーティブデザイン」という設計アプローチを推し進めている。

これは非常に近未来的なアプローチの設計手法だが、2015年10月末にリリースされた「Autodesk Inventor 2016 R2」で既にジェネレーティブデザインの概念を取り入れ、設計者が作ったモデル形状から不要な部分を抜き、軽量化を実現する「トポロジー最適化」に関する機能が搭載されている。また、指定した部分の内部構造を格子状に置き換え軽量化する「ラティス」という概念に基づいた「Autodesk Within」の提供も行っている。こうした新しい設計アプローチは、強度と軽量化の両立が求められる航空宇宙分野などで注目されており、金属やエンプラ材料の造形が可能な3Dプリンタによる最終製品(パーツ含む)の製造がそれを後押ししている。

ジェネレーティブデザインの実現には、Autodesk Researchの研究成果と、関連技術への投資が大きく寄与しており、現在「Project Dreamcatcher」という名称で、自然言語や画像を含めたあらゆる条件から自動的に形状を生成し、最適なものを提案・選択できるソリューションとしての研究開発も進められており、研究の成果として、航空機製造大手のエアバス社と共同開発した「バイオニック パーテーション」を披露している。生物の細胞構造や骨の成長過程を模したデザインを生成する独自のアルゴリズムにより設定され、従来の工程よりも構造をより強固に、かつ軽量化することが可能になっている。

エアバス社と共同開発したキャビン用パーテーション「バイオニック パーテーション」

あらゆる制約を取り払うコラボレーション機能とクラウドの活用

また、変化への迅速な対応が求められる設計環境において、同社はコラボレーション機能の強化を行っている。例えば、CAD/CAM/CAE機能を統合したクラウドベースの設計環境「Autodesk Fusion 360」では新たに「ライブレビュー」機能を追加。これはPC上で操作している設計画面を、リアルタイムでスマートフォンなどのモバイル端末上に表示するもので、チャット機能を活用しながら関係者と設計画面を共有し、コラボレーションしながら設計を進めることが可能となる。

さらに、間もなくWebブラウザ上で動作するフルクラウドのFusion 360の登場も控えているため(現在はProject LeopardとしてBetaプログラム実施中)、今後は使用する設計デバイスの制約もなくなり、あらゆる人や環境を巻き込んだコラボレーション設計を実現できるようになる。

また、新技術を活用した次世代のものづくり環境を実現させることを目的にして、クラウド ベースのソフトウェアやサービスをデベロッパー各社とともに開発・推進するプログラム「Forge (フォージュ)」を開始した。

クラウドベースのプロダクトイノベーションプラットフォーム

未来のものづくりに向けた投資や研究

オートデスクはモノの形をデザインするというツールベンダーとしての強み以外にも、未来のものづくりの在り方の実現に向け、さまざまな分野への投資や研究を進めている。例えば、オープンソースの3Dプリンタソフトウェア基盤「Spark」とリファレンス3Dプリンタ「Ember」の取り組みや、カーボン素材の製造・加工を補助する「TruNest」「TruLaser」、IoT時代の到来を視野にデジタルとフィジカルをつなぐ「SeeControl」、さらにはバイオナノ分野の研究開発なども行っている。特に、Autodesk Researchが取り組んでいるような最先端の研究に関しては、一見するとものづくりの世界に関係がないように思えるものもあるが、実はバクテリアについての合成生物学を飛行機の設計に応用するなど、ものづくり分野での利用を視野に入れた研究が行われているのだ。

「Autodesk SeeControl」によるIoT関連技術を設計開発に適応させた反復型の製品開発のイメージ

ここで紹介した最先端の取り組みはほんの一部にすぎないが、オートデスクはものづくりを取り巻く大きな変化にいち早く対応できるツールレベルでの革新や、将来を見据えた投資、研究開発を積極的に行っている。

従来の差別化戦略が形骸化する中、製造業を中心としたものづくりの現場では、新たな差別化につながるツール/ソリューションが求められている。そうした状況に対し、オートデスクはものづくりの未来のための仕組みや仕掛けを、現場の設計者や意思決定を行うマネジメント層に提供できる用意がある。

この記事は、MONOistに2015年12月に掲載されたコンテンツを再構成したものです。