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導入事例

株式会社タカラトミー

Autodesk Fusion 360 だからできる、
安全性と外装デザインの魅力を兼ね備えた 知育玩具の開発


切削加工を身近にさせた Fusion 360 の CAM 機能

株式会社タカラトミー(以下タカラトミー)といえば、老舗の玩具メーカーとして世界に広く知られる存在だ。同社の主なブランドには、1959 年誕生の鉄道玩具「プラレール」、1967 年誕生の着せ替え人形「リカちゃん」、1970 年誕生のミニカー「トミカ」などがある。

タカラトミーのルーツは、1924 年(大正 13 年)2 月、創業者である冨山栄市郎氏がトミー(現在のタカラトミー)の前身となる「富山玩具製作所」を創設したことにさかのぼる。創業当初にヒットを放ったのは、数多くの飛行機玩具だった。当時は飛行機による本格的な輸送が開始された頃で、飛行機への憧れは大人も子どもも強く抱いていたに違いない。ゼンマイを使用した飛行機玩具のアイデアはもちろん、機体を軽くするために、当時国内では入手困難だったアルミを一番最初に材料として採用したほどのこだわりで同業他社からも絶賛を浴びる。その後、玩具業界初となる流れ作業方式の工場の設立や玩具研究部門の設置など、次々と業界に先駆けた近代的な取り組みで事業の拡大を図った。

創業 90 年を越えた現在のタカラトミーも、その伝統を忠実に受け継ぎ、玩具の機構開発・研究への注力を惜しまない。社内には設計を担当するエンジニアが多数在籍し、それぞれのやり方で設計を行っている。

入社 9 年目の技術開発部・試作開発課の木口敬純氏は、大学で工業デザインを学んできた。試作開発課に入ったのは 1 年半前のこと。最初はとにかくテストサンプルを手でつくることからはじまった。

「技術開発部の渡辺広幸氏の方針で、新しく入った人間は必ずサンプルなどの手加工の修行をしなければなりません。渡辺さんはメカの先生とも言える方で、頭のなかに CAD が入っているような凄い人です。2 次元の図面をさっと見るだけですぐに話が通じます。新人はその下でとにかく鍛えられていきます」

株式会社タカラトミー
技術開発部
試作開発課 主任
木口 敬純 氏

レンダリング機能を使い、クオリティの高いコミュニケーションを実現

部署内のエンジニアは思い思いの方法で、製品の試作に取り組んでいる。木口氏は、昨年から設計に Autodesk Fusion 360 を取り入れるようになった。使いやすく、習得が容易だったためすぐに業務で使い始めた。当初は他の 2 次元 CAD の図面を Fusion 360 に取り込んで 3 次元モデルを作っていたが、SNS やブログ、YouTube など、Fusion 360 の使い方に関しては検索すれば豊富に情報を見つけられたので、それらを参照することで、かなり早い段階で Fusion 360 だけで 3 次元のモデル作成もできるようになったという。

これまで 2 次元 CAD をメインに使っていた木口氏は、「以前は『このパスが干渉しないか』とか、奥行き関係の位置を頭の中で把握しないといけませんでした。これは形状を把握する頭のトレーニングとしては良いのですが、干渉を見落とすことや、干渉し合わなくても部品同士が組めないことなどが時にはありました。Fusion 360 を使うことでそういったアセンブリのシミュレーションが細かにできることで、格段にミスが減りました」と話す。

また、以前から行ってきた切削加工機を使った作業もスムーズにできるようになったという。これまでは 2 次元図面情報を CAM ソフトに持っていき何ミリ削るなど細かな設定をしていたが、切削加工機に持っていってからデータに不備があるとわかると、再度 2 次元図面の修正を行ない、また加工機に数値入力を行うという繰り返し作業を行わなくてはいけなかった。それが Fusion 360 の CAM 機能を使い始めたことで、画面で加工のシミュレーションを確認することが可能になり、事前に工具が入らないなどの検証ができることで作業が格段にやりやすくなったという。

さらに、「設計はもちろんですが、絵作りのようなイメージづくりにも Fusion 360 は役立っています」とも。社内でアイデア提案を行う際のプレゼンには手描きのスケッチを使用していたが、現在は Fusion 360 のレンダリング画像を多用している。設計時も CAD の画像と比べると、実製品に近い表現がされているので、見てもらう人に受け入れられやすい。また、品質管理部門とのコミュニケーションでも Fusion 360 のデータや画面でイメージを共有している。たとえば、打ち合わせの際に「ここをもう少し薄くしてほしい」と言われた場合も、「もう少し」がどれくらいなのかを Fusion 360 の画面を見ながら細かくすり合わせができるようになり、コミュニケーションギャップが軽減されている。

クラウドのメリットも感じている。社内で他部署の関係者と打ち合わせする際、自分のワークステーションにあるデータを参照する場合は、その度に自席に戻って変更したイメージを持って再度打合せを行わなければいけなかったが、Fusion 360 であればクラウド上にデータがあるのでタブレットさえあれば、その場で変更しながら打ち合わせが完結できる。業務の効率は劇的に高まったという。

現在、木口氏が主に担当しているのは、2015 年に新しく登場した「トミカシステム」だ。「トミカシステム」とは、自分自身で道路を組み立ててミニカーを楽しく走らせることができるシステム玩具で、子どもの創造性を育むことができる知育玩具的な要素もある。木口氏が Fusion 360 を使って初の製品化にこぎつけたのが、2017 年 4 月発売の「トミカシステム ループどうろセット」である。このセットは名前の通り「らせん状の道路」がポイントとなるのだが、これは Fusion 360 でなければ作れなかったのではないかと振り返る。

「らせん形状の道路の場合、道路の入り口と出口の部分は平らな面で形状作成しなければならないのですが、径の小さいカーブを作る場合、道路面を平行に作るとどうしても摩擦でミニカーが引っかかってしまうんですね。そこで、道路面がやや内側に首を傾けるような形でバンクした断面を取りたかったのですが、形状的におかしくならないように滑らかにつなぐために、斜面の形状をややひねったような面にしています。歪んでいる面ときっちりとする必要がある面、その 2 つをスムーズにつなげるために Fusion 360 のスカルプト機能を利用しました。ミニカーを実際に走らせて検証する際はタイヤが浮いていないか確認を行い、浮いている箇所があれば部分的に修正することが簡単にできました。この点は、他の CAD ではなかなか作れなかったのではないかと思います」

「デザインなどの外装的な部分と機構となる内部の構造を一本のソフトでシンプルにつくることができるということに、何よりもメリットに感じている」という木口氏。知育玩具は、安全に対する要求が大変高く、同時に意匠的な魅力も兼ね備える必要があり、開発が難しいが、Fusion 360 は玩具開発に最適なソフトウェアだとコメントする。今では木口氏がメカ設計、アイデア検討、レイアウト検討、社内プレゼン、試作データへの活用など多用途に Fusion 360 を使いこなすのを見て、企画担当の人も使い始めるなど、周囲では少しずつ Fusion 360 の輪が広がっているようだ。

外装的な部分と機構となる内部の構造を Fusion 360 という 1 本のソフトで作ることができる(Fusion 360 によるレンダリング画像)

歪ませた 2 つの面をスムーズにつなげるために、Fusion 360 のスカルプト機能を利用した(Fusion 360 によるレンダリング画像)

会社名:株式会社タカラトミー
所在地:東京都葛飾区
ソフトウェア:Autodesk® Fusion 360™

“デザインなどの外装的な部分と機構となる内部の構造を一本のソフトでシンプルにつくることができるということに、何よりもメリットに感じています”

木口 敬純 氏
株式会社タカラトミー
技術開発部
試作開発課 主任

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