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導入事例

サトーパーツ株式会社 関東工場

設計効率・設計品質を飛躍的に向上させた
Inventor & Autodesk Moldflow Adviser

なぜここに“ヒケ”ができるのか? この“倒れ”は直らないのか? 疑問は解決されないまま進み、成型してみないと分からなかった

なぜここに“ヒケ”ができるのか? この“倒れ”は直らないのか?
疑問は解決されないまま進み、成型してみないと分からなかった


“出してみないと分からない”状況を変える

サトーパーツは創業66年余の歴史を持つ電気部品メーカーである。素材や国内生産にこだわった端子台やヒューズホルダー、表示灯など、配線関連パーツの品質の高さに定評があり、製品1個から対応する入手性や短納期により多くの支持を集めている。しかし徹底した品質へのこだわりは、時に大きな試練をもたらす。それは2011年のことだった。主力製品の1つである、スクリューレス端子台のハウジング部品に材料変更の必要が生じたのである。
「当社の製品は米国の安全規格である UL 規格に登録しており、材料もこの UL 規格に認証された高性能なものだけ使っています。裏返せば、この高い条件をクリアした樹脂しか使えず、簡単には切り替えられません。」そう語るのは、同社技術部の開発グループを率いる三浦氏である。同氏によれば、従来その材料樹脂を供給してくれていたメーカーがUL 規格へ対応できなくなり、撤退を申し入れてきたのだという。

「他所から同じ材料を、といってもスペックが違うため難しく、他の材料を探し回ったんです。しかし国内では見つけられず、ようやく海外メーカーの成形材料にたどり着きました。しかし、材料グレードが変わるとなると、それはそれでさまざまな問題が生まれます。」特に難題だったのは、材料グレード変更による樹脂成型時のヒケの変化や、これに伴う新型起工による新たなゲート位置やウェルドライン、エアトラップ等々への対応だ。実はこれらは開発現場で以前から問題視されていた、同社永年の課題でもあった。「なぜここにヒケができるのか、この倒れは直らないのか……といった疑問がその都度生まれ、結局実際に成型してみないと分からないまま進み、試作回数もかさんでいました。特に成型工場まで変わると、条件の出し方や機械の違いが大きく影響するため、いっそう出してみないと分かりません。そこでこの機会に、以前から使いたかったAutodesk Moldflow Adviser を導入したのです。」

もちろん CAE ツールにもさまざまな製品があるが、Autodesk Inventor をメインツールとする同社にとって、その 3D データをダイレクトに活かせるメリットや Autodesk Moldflow Adviser 自体の多彩な高機能、一括化できるサポート等の優位性は高く、Autodesk Moldflow Adviser という選択は当然の結論だった。2日ほど基礎トレーニングを受けた三浦氏らは、材料変更を行った製品の金型設計の現場へいち早く Autodesk Moldflow Adviser を投入する。「実際に使ってみると思ったより敷居が低いというか、インタフェイスが分かりやすくて直感的に操作できることに驚きました。すぐに新しい材料のデータで充塡解析を行い、ウェルドラインを確認してガス抜けを評価。さらにヒケ解析でヒケの検証も行ない、形状変更などの修正対策を進めていったのです。」そして、その効果は予想以上だった。

サトーパーツ株式会社
技術部 開発グループ
グループリーダー
三浦 猛 氏

3 次元というだけで構えていたが、実際に使うと思ったより分かりやすく
簡単で、便利で、初期段階の設計が非常にやりやすいと気づいた

Inventor & Autodesk Moldflow Adviser 活用が新たな企業戦略のカギとなる

「たとえば新たに成型金型を製作する際、成型不良対策などの修正が発生するとその分の工数が増え、金型完成までに4 〜5週間、余計に時間がかかっていました。それが Autodesk Moldflow Adviser の活用で、完成までの時間が一気に半減近く短縮されました。無駄が出たり、時間がかかり過ぎたりしていた長年の課題が解決されたのです。」

同社では金型製作を外注しているが、従来は取りあえず作ってみて、少しずつ追い込みながら4回、5回と繰り返しトライする進め方だった。しかし、Autodesk Moldflow Adviser 導入後は金型設計を発注前に樹脂流動解析で検証を行ない、その結果を 3D モデルや図面と共に金型製作工場に提供するようにしたのである。事前の打合せでも「この辺りにウェルドができるので注意してほしい」とか「ここは肉厚なのでヒケに気をつけて」等々、具体的な指摘を裏付けデータと共に提供できるようになった。結果、再トライ数は激減し、仕上の品質も大きく向上したのである。

「従来は1度直せば修正で2週間、成型でさらに1週間と合計3週間もずれ込んでいましたし、直す都度寸法を評価しなおす必要もあり、さらに遅れることもしばしばでした。それが今では成型不良はなくなり、ほぼ1回で完成させています。 そう考えると導入効果は非常に大きいですね。」
このように Autodesk Moldflow Adviser 導入後、いち早く実務へ応用して成果を上げたサトーパーツだが、同社のような展開は実は決して特異な例などではない。設計者には難度が高いと思われがちな CAE 活用だが、こと Inventor ユーザにとっては、 Autodesk Moldflow Adviser への展開はむしろ当然なのである。事実、サトーパーツの場合も、 Inventor と3次元設計の導入こそが最大のターニングポイントだった。

「当社が Inventor を導入して設計3次元化に着手したのは2004年のこと。決して早いとは言えませんよね。もともと当社の製品は形状的にも単純なものが多く、正直、意匠的な工夫はあまり必要ないと考えられていたんです。製造段階でも縦横さえ分かれば問題ないと、設計はもっぱら2次元図面で行っていました。」そんな同社が Inventor を導入したのは、それまで使っていた CAD がサポート終了になったのがきっかけだった。これに替わる新たな CAD を選定していく中で、将来にわたって継続して使っていける将来性と汎用性を見込んで、 Product Design Suite を選んだのである。
「それでも当初は2次元で十分と思っていたので、主に AutoCAD Mechanical を使っていたんです。

しかし、せっかくパッケージされているのに使わないのはもったいないと思うようになり、 Inventor を使ってみたのが始まりでした。それまでは3次元というとそれだけで構えてしまう気持があったんですが、実際に使ってみると、思っていたより分かりやすく簡単で、しかも非常に便利で。初期段階の設計がすごくやりやすいことに気づいたのです。」もちろん最終的には2次元の図面にしていくわけだが、その2次元図面を生成する上でも、当初Inventor で3次元モデルによって設計を進め、でき上がった所で AutoCAD Mechanical へ持っていった方がはるかに作業しやすく正確で、スピーディなのである。

「3次元設計のメリットは、やはり組合せと干渉チェックです。特に嵌合部を合わせた時の当たっている/いないの確認など、 Inventor なら容易ですが、2次元では試作してみないと気づかないことも多く、またそれを修正するのも2次元だとどうしても直し忘れが発生してしまいます。あの変更がこの面に反映されていないとか断面が直ってないとか……。しかし3次元ならありえません。」更新した時点でモデルデータを直して、また2次元に入れ替えれば良いわけで、自ずと設計品質も設計効率も大きく向上するのである。そして、これら3次元設計の多彩なメリットを、設計者の多くが強く実感したことから、同社では自然に、しかも急速に3次元設計が普及し、Inventor が設計ツールの主力として同社の設計部門に根づいていった。

そして今そこに Autodesk Moldflow Adviser という新しい武器が加わった。これはむしろ自然な流れだった、と三浦氏は感じている。Inventor から生成される 3D モデルを2次活用したい、という思いが Autodesk Moldflow Adviser 導入に結びつき、設計者たちは自然な流れでより高度な3次元設計の世界に踏み出したのである。

「今後は、当社もより少量で高付加価値な製品の開発に注力していきます。こうした製品は投入タイミングが重要なので、設計もさらに効率を上げる必要があります。その意味で Inventor とAutodesk Moldflow Adviser の活用が重要なカギとなるのは確実です。今後はまず、技術部全体で両ツールの活用についてスキルアップしていきたいですね。」

「S-200」 カバー部品の 3D モデル

ACアウトレットソケット「 S-200」 シリーズ

会社名:サトーパーツ株式会社 関東工場
所在地:埼玉県春日部市
ソフトウェア:Autodesk® Moldflow Adviser、Autodesk® Product Design Suite

既に技術部の設計者の多くが Inventor と Autodesk Moldflow Adviser を併用していますが、Autodesk Moldflow Adviser については、現状使っているのはまだ基本機能だけなので、今後はもっとステップアップしていく必要があります。金型づくりには経験が必要ですが、Autodesk Moldflow Adviser を活用することでその経験不足も埋め合わせられるのではないでしょうか。できれば金型の取り個数から、ランナー、冷却管の配置まで自分たちでレイアウト設計ができるようにしていきたいですね。

三浦 猛 氏
サトーパーツ株式会社
技術部
開発グループ
グループリーダー

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