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導入事例

株式会社フォトシンス

Fusion 360 だけで設計された、次世代のオフィス・住宅の安全管理を実現するスマートロック<Akerun Pro>


Fusion 360 のライブレビュー機能で、海外の工場とも効率的なコミュニケーションが可能に

IoTによる新製品が各社から次々と発表されるなか、従来の「鍵」分野でも新たな製品が続々と登場している。中でも、パソコンやスマホなどインターネットにつながる機器から鍵の開け閉めができる「スマートロック」というジャンルは注目株のひとつ。今回紹介するのは、株式会社フォトシンスの〈Akerun Pro〉という新しいプロダクトだ。

株式会社フォトシンスは、2014 年 9 月に設立された日本のベンチャー企業だ。「つながるモノづくりで、感動体験を未来に組み込む」というミッションを掲げ、ネットにつながる IoT 機器の開発を行っている。同社の主軸商品は〈Akerun Pro〉という後付け形のスマートロックだ。居酒屋での「別れた彼女の合鍵を取り戻すのは気まずいよね(笑)」という何気ない会話がきっかけで生まれた〈Akerun〉は、個人向けの製品として、2015 年 4 月に発売を開始。発売後、予想以上にオフィス用途での「入退室管理を行いたい」といったリクエストが多かったため、2016 年 7 月、B to B のオフィスでも使える製品として〈Akerun Pro〉が誕生した。

これまでオフィスで入退室管理システムを導入しようと思ったら大掛かりな工事が必要だったが、〈Akerun Pro〉はドア内側のサムターンをカバーするように両面テープ(特殊接合テープ)でドアに貼るだけで設置できるという画期的な簡便さが特徴だ。したがって初期投資を低く抑えることができるのだという。

〈Akerun Pro〉の主要な機能を挙げてみよう。スマホアプリを利用しての鍵の開閉操作が可能となる。オートロック機能もある。さらに、LINE や Facebook、または電話番号で鍵の共有ができる。つまりスマホがあれば、ヴァーチャルな「合鍵」を気軽に作ることができるのだ。カードリーダー〈NFC Reader〉を使えば、Suica や社員証などの入退室も可能となる。

また、Web 上で〈Akerun Pro〉を管理するシステム〈Akerun Manager〉と連携させれば、ユーザーに対しての権限の付与や遠隔操作で鍵を開閉することや入退室履歴の管理も可能になる。さらに、一時利用の場合は「●月●日から●月●日まで」という期限つきの鍵や、アルバイトの人で「月・水・金だけ出社する」という勤務形態の場合は、曜日限定の鍵も発行できる。

さらに、遠隔で鍵の状態を確認できるため、どこにいても鍵が閉まっているかどうかをチェックすることができる。早出のスタッフが鍵を忘れてしまったとしても、他の人が家にいながら鍵を開けることが可能となるのだから、便利なことは間違いない。操作履歴も残るようになっているので、誰がいつ「入室した」「施錠した」ということもわかるので安心感も大きい。誕生日を迎えたスタッフが入室すれば、ハッピーバースデイのコールが流れるようなサプライズを設定することもできるというのも面白い。

株式会社フォトシンス
開発部 Mechanical Designer
関谷 達彦 氏

Fusion 360 だけで設計された最新のプロダクト〈Akerun Pro〉

株式会社フォトシンスの関谷達彦氏は、同社の最初のプロダクト〈Akerun〉から一貫して機構設計を担当しているプロダクトデザイナーだ。彼自身は大手家電メーカーでスマートフォンの設計に従事していた経験を持つ。

最新の〈Akerun Pro〉は、付属品はもちろんパッケージまで Fusion 360 だけで設計された。モデリング機能やシミュレーションだけでなく、ドアによっては特別対応のため必要な 3D プリントによるカスタムパーツの設計が必要となるが、その全てが Fusion 360 でつくられているのだ。さらに、広告や Web サイト用のクリエイティブ画像、ムービーにも、Fusion 360 のレンダリング機能が活用されている。

「〈Akerun Pro〉は 3D プリンタで試作を重ねたり、射出成形をしたり、板金の部品を製造したり、量産化用の 2D の図面を作ったり……と、とにかくいろんなことをやっているんですけれども、そのすべてを Fusion 360 だけでまかなうことができました。その他のソフトは使っていません。試作から量産まで対応可能なさまざまな機能が、低価格のソフトにも関わらず一通り揃っているというのが、Fusion 360 を使うことで得られた大きなメリットです」

関谷氏が一番活用したのが Fusion 360 のライブレビュー機能だ。これは Fusion 360 の画面を他の人と共有する機能で、相手側は Fusion 360 を持っていなくてもブラウザにアクセスするだけで見ることができる。打ち合わせの席ではもちろん、海外工場との電話会議などにも頻繁に使用したという。

「金型の立ち上げ前にパーティングラインをどこに切るか、エジェクタピンをどこにつけるかというような打合せの時に、わざわざ海外の工場に行ったり来てもらったりすることなく、ライブレビュー機能を使った会議だけで済んだので、かなり楽でスピーディーに進みました」

パッケージングにも Fusion 360 を活用した

Akerun Pro とカードリーダーをドアの外側に設置したところ

有線または無線通信によって Akerun を常時ネットワークに接続する WiFi対応の IoT ゲートウェイ、Akerun Remote

Fusion 360 ライブレビュー機能では固有のURLが生成されるので、それを伝えるだけで相手側は 360 度回転させながらデータを見ることができる。ズームも可能で、ブラウザ上で断面を切ることもできるので、かなり詳細なところまで確認することができる。

「さらに便利なのが、Fusion 360 側で操作すると相手側の画面にも反映される点です。たとえば『ここの部分ですよ』とマウスのポインターで示してあげると、先方でもそれが反映されるので、電話でも同じ画面を見ているようにコミュニケーションを取ることが出来ます。セキュリティが心配な方もいらっしゃるかと思いますが、打合せが終わったあとにセッション停止をすれば、URL も無効になるので安心です」

〈Akerun Pro〉は IoT 技術を搭載しただけでなく、その製造過程でも IoT 化を実践している。

「基板への書き込み治具とパソコンがつながっていて、パソコンに入っている制御ソフトが Web アプリになっており、Web ブラウザを開くだけで治具の操作ができるようになっています」と、関谷氏。「マークの色を変更してほしい」というような指示があった際にも、クラウド側で変更すれば、現場に行かなくても簡単に工程を改善できるのだという。「常に最新のファームウェアがアプリに流れ込むので、ファームウェアを更新する際も工場に行く必要はありません」。

販売後の機器も、遠隔診断できるようになっている。機器の調子が悪くなった場合、アプリ上で『〈Akerun Pro〉の使用状況を送信する』ことが選べるようになっている。こうすることで機器の稼働状況や設定などの情報が瞬時にフォトシンス社内で共有され、原因を特定し、迅速なカスタマーサポートが可能となる。

フォトシンスのものづくりでは「小さく作って早く出す」ということが意識されていると関谷氏は語る。「ソフトウェアで改善をしていけるように、未来を考慮した部品をあらかじめ仕込んでおく」ことも、そのひとつの手段だ。スピード第一で製品を世に出し、それをどんどん改善していくというソフトウェア的な考え方だ。競合メーカーが数多く存在する分野では、とにかく早さが市場を制する。

〈Akerun Pro〉は、既にさまざまな企業のオフィスのエントランスや共用扉、役員室などのほか、研修施設、さらには自治体や大学の施設や研究室、病院、そしてシェアハウスの鍵管理にまで使用されている。

会社名:株式会社フォトシンス

所在地:東京都品川区
ソフトウェア:Autodesk Fusion 360

“試作から量産まで対応可能なさまざまな機能が、低価格のソフトにも関わらず一通り揃っているというのが、Fusion 360を使うことで得られた大きなメリットです”

関谷 達彦 氏
株式会社フォトシンス
開発部 Mechanical Designer

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