Autodesk MFG Online

Home › 導入事例 › Inventor を介して連携するデザイナーとエンジニア 遊具開発を革新した3次元設計の新しい形

導入事例

日都産業株式会社 羽村工場

Inventor を介して連携するデザイナーとエンジニア
遊具開発を革新した3次元設計の新しい形

Inventor で圧倒的な作業効率と設計品質を両立させ、 高度なデザインや質の高いプレゼンで競合相手に打ち勝つ

Inventor で圧倒的な作業効率と設計品質を両立させ、
高度なデザインや質の高いプレゼンで競合相手に打ち勝つ

トレンドを創りだす老舗企業の原動力

街中の小さな公園からレジャーを楽しむ大型の公園、あるいはショッピングモールのこども広場や、小学校の校庭、保育園の園庭まで。家族や子供が集まる場所に欠かせないのが、さまざまな遊具だ。特に近年、少子化対策や住環境重視の流れのなか、高度成長期に大量に作られた公園遊具が老朽化し、新設やリニューアルが急ピッチで進められている。このような状況の遊具業界にあって、創業70年を超える老舗としてトレンドを創造し、牽引しているのが、日都産業株式会社である。

同社設計課の寺戸氏は語る。
「公園遊具の専門メーカーとして、設計開発から設置後のメンテナンスまでトータルに任されてきた会社です。実際いまのブランコやすべり台等の多くは、当社が作った原型が公団等に標準仕様として採用され、広まったもの。その後、少子高齢化の流れを受けて公園に置く健康器具も開発し、これもグッドデザイン賞を受賞するなどして公園の定番設備となっています。」

このように、70年余の歴史を通じ常に業界の第一人者として走り続けてきた日都産業だが、その歩みは決して平坦な道ばかりだったわけではない。特に約10年前の法改正で市場環境は大きく変化した。かつてはすべり台とぶらんこと砂場、鉄棒など公園に置く遊具はある程度定められていたが、この規制が撤廃され、多彩な遊び要素を組み合せて多機能化した『複合遊具』が、新たな主役として身近な公園にも置かれるようになったのだ。こうした複合遊具の採用にあたっては、コンペ形式で複数のメーカーに提案させた上で選定するやり方が広まったこともあり、海外製品の流入や異業種からの参入も増え、競争はさらに激化している。デザイン課の小林氏は語る。

「ですから製品開発においても、大前提の安全性や楽しさはもちろん、より高度なデザイン性やプレゼンにおける見せ方等が重要性を増しています。そこで威力を発揮するのが、密接に連携したデザイナーとエンジニアを開発の両輪とする独自の協力体制と、その基盤を支えるツールAutodesk Inventor( 以下 Inventor )です。」

小林氏の言葉通り、日都産業では、エンジニアはもちろんデザイナーも同じく緻密な設計を得意とする Inventor を使っている。しかも、コンペのプレゼンで使用するイメージパースや概念図・配置図等の多様なプレゼン資料まで、デザイナーが Inventor を駆使して制作しているのだ。そして、この独自の体制によって圧倒的な作業効率と設計品質を両立させて、高いコンペ勝率を維持し続けているのである。

日都産業株式会社
羽村工場
技術部 デザイン課 課長
小林原生 氏

羽村工場
技術部 設計課 係長
寺戸健太 氏

羽村工場
技術部 設計課 主任
藤本晋矢 氏

羽村工場
技術部 デザイン課
内田さゆり 氏

設計業務に変革をもたらしたInventorの活用範囲は、
とどまる所を知らない

デザイナーを支援するツールとして Inventor は強力な武器に

「コンペ発注からプレゼンまで短いと1週間弱ということもあり、また営業からの要望で複数案作ることも多いですね。制作はまず技術部内で打合せてコンセプトを練り、デザイナーがInventor でモデリング。後はアングルを選んで Inventor Studio でパースを作り、画像加工ソフトで仕上げれば完成です」(小林氏)。

Inventor を活用する以前はパースも手描きだったため3〜4日かけても一方向しか描けず、裏側も見せたい時はさらに倍の手間と時間が必要だった。現在はあらゆる方向から描写した提案書を作れるし、簡単なものなら1日で仕上がる。余った時間をブラッシュアップや複数案の制作、見せ方の工夫等に割くことでプレゼン品質は大きく向上したのである。さらにコンペに勝利し受注を獲得すれば、その後の詳細設計段階でもモデルは繰り返し活用される。エンジニアは概念設計で作成されたモデルを生産に適した形に改良し、また発見した問題点を解消した後、デザイナーと共有するライブラリにフィードバックする。結果、発注元からの多様な依頼に素早く対応でき、品質の高い設計がスピーディに仕上がるのである。―― だが、デザイナーが使うツ−ルとして考えた場合、 Inventor はどうなのだろうか。

デザイナーの内田氏は語る。
「学生時代は別の3DCGを使っていましたが、初めて Inventor に触れた時は想像以上に簡単で驚きました。一方でCGソフトに比べ、デフォルメ等が難しいとも感じましたが、実際のスケールで使い方や安全性を検証しながらモデリングするおかげで自分が描いた通りのものが、そのまま製品としてでき上がる。裏返せば凄くまじめなソフトってことなんです」

そんな内田氏の言葉に藤本氏も大きく頷く。
「他社に比べ、当社が作るのは正確なモデルですから、リアリティではどこにも負けません。見た通りのものがそのままできあがる。だから信頼していただけるのです。」

身体モジュールや内部機構を確認しながら魅力的な形状を作り上げる

3D設計のメリットを多角的に生かしていく

このように、Inventor による3Dモデルをデザイナーとエンジニア共通のプラットフォームとする日都産業の開発手法は、厳しい競争の時代を迎えた公園遊具市場にあって同社の競争力を大きく高めた。中でも最大の成果の1つが複合遊具システム「げんきコンビ」シリーズである。前述の通り、複合遊具はニーズに沿って多彩な遊具を組合せて作る。そこであらかじめ Inventorで汎用ユニットのモデルを作りカタログに掲載。

発注者はそこから選んで組合せていくことで、簡単に思い通りのプランを作れるのである。もしそれだけの種類の遊具を写真に撮ってカタログ化すればコストも手間も膨大になるが、同社ならこれまで Inventor でモデリングし、蓄積したデータをそのまま生かせるのだ。

「お客様はカタログを見て選べるのでイメージが湧きやすく、選択肢が豊富で満足度も高くなります。さらに、パーツには全て材料や工数等の属性を与えているため瞬時に価格が判り、また、受注が入れば即座に図面化・材料請求ができ、設計工程は大きく短縮されるのです」(藤本氏)。

日都産業では、構成管理や製作図、組立・保守資料に至るまで Inventor を活用しており、3Dの設計環境の導入がさまざまなメリットを生みだしたのである。

新機能への期待と今後の展望

さらにこの複合遊具と共に注力しているのが、「ゆるキャラ」をフィーチャーした遊具等に代表される、より複雑な曲面形状を備えた製品の開発である。この製品設計において、カギとなるのがInventor の新機能である「フリーフォーム」の活用だ。

「ゆるキャラもそれ以外でも、今後は積極的にフリーフォームを使いたいと考えています。従来 Inventor が苦手だった有機的なデザインも、フリーフォームでより簡単に多くのバリエーションを提案できます。1つの製品を作る上で裾野を広げてデザインすることもとても重要ですから。とにかく Inventor を巧く使い、効率よく質の高い提案を進めていきたいですね」(小林氏)。

同社は2002年より Inventor を導入し、今もなお Inventor と共に進化し続けている。

ゆるキャラ(としまななまる)をモチーフにしたロッキング遊具の完成品

会社名:日都産業株式会社 羽村工場
所在地:東京都羽村市
ソフトウェア:Autodesk Inventor

日本は小さい公園も多く、その狭い敷地に遊具を配置するのは容易ではありません。また意匠や機能の面でも、その地域の歴史や特色に合ったオリジナルの製品を求められます。このように多様な要求に応えつつ事故を未然に防止するには、提案の段階から安全性や使い勝手を検証できる高機能のモデリングツールが必須です。だから当社では、デザイナーも Inventor を使います。
同じツールを使ってエンジニアと緊密に連携し、新しい遊びの提供と安全性の確保に務めています。

小林原生 氏
日都産業株式会社
羽村工場
技術部 デザイン課 課長

資料ダウンロード

Inventor を介して連携するデザイナーとエンジニア
遊具開発を革新した3次元設計の新しい形
日都産業株式会社 羽村工場

10.4 MB

ダウンロード