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導入事例

株式会社カブク

Autodesk Fusion 360 で
Honda の超小型電気自動車をカスタマイズ

3D プリンターと独自のデジタル製造プラットフォームで ものづくりの先端を目指すカブクの挑戦

3D プリンターと独自のデジタル製造プラットフォームで
ものづくりの先端を目指すカブクの挑戦


3D プリンターと独自のデジタル製造プラットフォームで
ものづくりの先端を目指すカブクの挑戦

短期間で実現した
Honda×カブクの新たなものづくり

2013 年に誕生した株式会社カブク(以下カブク)は、3D プリンターを使ったデジタルものづくりプラットフォームを運営するスタートアップ企業だ。同社はもともと個々のクリエイターがつくった 3D データをアップロードし、それを消費者が購入するというコンシューマー向けの Webサービス「Rinkak」を運営しているが、さらにそれを発展させる形で、顧客と世界中の 3D プリンターを保有するデジタル工場をネット上で仲介しデジタル製造を行うマスカスタマイゼーション・ソリューションを展開している。

2016 年秋、カブクは本田技研工業株式会社(本社:東京都港区、以下 Honda)と、3D プリント技術を活用した車両を共同製作、「CEATEC JAPAN 2016」にてお披露目を行った。これは Honda が取り組むオープン・イノベーションの一環で、「鳩サブレー」で有名な老舗菓子メーカー豊島屋(本社:神奈川県鎌倉市)のリクエストに応じ、同社の配達用車両を超小型 EV でカスタマイズするという試みだ。製作期間は約2 ヶ月。短期間で満足のいく仕上がりを目指しAutodesk Fusion 360 がフルに活用された。カブクのインダストリアル・デザイナー・横井康秀氏に、その制作過程を振り返ってもらった。

「ぼんやりと思い描いていたものをすぐにデザインとして形にできるというところが Fusion 360 の良いところです。そのため、とにかく短い時間で効率的にデザイン案をつくることができました。また、Honda 様から提供された他社製の CAD データを Fusion 360 用に簡単に変換することもできたため、その後のやりとりも非常にスピーディに行うことができました」。

豊島屋は、道幅が狭い古都・鎌倉市での近距離デリバリーの効率化という課題を抱えていた。そこで白羽の矢が立ったのが、Honda が提案する一人乗りの超小型 EV(マイクロコミューター)だった。さらに、地元・鎌倉市に長く愛されるブランドとして、より魅力的にアピールするためにオリジナルデザインの配達車両をつくりたいという希望も持っていた。横井氏はそういった希望要件をきめ細かくヒアリングし、超小型 EV の豊島屋オリジナルデザイン案を練り上げていった。

株式会社カブク
インダストリアル・デザイナー
横井 康秀 氏

精度の高い 3D データを共有し、複数の工場で「分散製造」

「通常であれば 1/1 のスケールモデルをつくるところですが、今回はとにかく限られた期間だったため、関係各所の確認を“3D データのみ”で行うことになっていました。それだけデータの精度が問われる状況だったわけですが、Fusion 360 のクラウドレンダリング機能を使用することで、非常に重い、自動車のパーツという大きなレンダリング作業をクラウド上で大量に行うことができました。それによってスピーディに各関係者に精度の高いデザインイメージを共有することができました。また、レンダリングの表現力も正確だったため、イメージのすれちがいもなく、最終的にアウトプットも思い描いたものをそのままつくることができ、関係各所に喜んでいただける仕上がりを実現することができました。デザイン検討の過程では、社内にある家庭用 3D プリンターを使ってモデルの検証をしますが、Fusion 360 のデータをダイレクトにプリントできるのでとても便利です」。

カブクが提供するソリューションは、世界中の 3D プリンターを保有するデジタル工場にアクセスすることができるため、複数の工場に注文を出して「分散製造」することができる。「今回は複数の工場を使って、約 20 点のパーツを製造しました。工場との事前すり合わせも、Autodesk A360 を使用し、精度の高いやり取りをリアルタイムですることができたため、出来上がってから『この部分が違った』というような問題は一切ありませんでした」。

最終的に、各工場から仕上がったパーツが揃った時点で、Honda のエンジニアと横井氏が一緒に組み立て作業を行った。「今回は自動車のパーツという大きなものを 3D プリンターで製造したわけですが、見た目の仕上がりも遜色なく、3D プリンターの可能性を広げる結果になったと思います」と横井氏は胸を張る。
Honda 社内からも良い反応が得られた。通常、車のデザインといえばカーデザイナーに限られたものになりがちだが、今回はデザイナーの垣根を取り払って柔軟な発想でさまざまなデザイン案を提出したことが新鮮な印象を与えたようだ。

3D プリンターを使ったデジタル製造技術と工場ネットワークによって、金型レスで時間もコストも削減しながら、オリジナルのデザインによる車両を仕上げることができた本プロジェクト。自動車は裾野の広い産業と言われているが、今後は 3D データを活用したさまざまな取り組みがさらに加速していくに違いない。

Autodesk Fusion 360 による 3D データの途中行程。短期間での実現のために関係各社の事前確認はすべて 3D データによって行われた。

愛らしい鳩が重なり合ったバックドアの造形は、3D プリンターでしか実現できない重層的なデザイン。

通常使われている配送用段ボールがきちんと収納できるように、荷室も最適化した。

超小型 EV の骨格(写真上)以外、ほぼすべての外装を 3D プリンターによって製造。素材にはハイグレードの ABS 樹脂を採用した。

会社名:株式会社カブク

所在地:東京都新宿
ソフトウェア:Autodesk Fusion 360

これからは“ものづくりの民主化”がどんどん進んでいくと、私たちは考えています。本プロジェクトで言えば、豊島屋さんのような、ものづくりにこれまで携わったことのなかった方々が、個別の希望に沿う形でデザイン設計に関わることが可能な世界になっていきます。そういった中では Fusion 360 のようなクラウド上で誰もが使える CAD ソフトと、私たちが提供する分散型の製造工場ネットワークが鍵を握っていくと思います。

横井 康秀 氏
株式会社カブク
インダストリアル・デザイナー

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Autodesk Fusion 360 で
Honda の超小型電気自動車をカスタマイズ
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